- 理系の実験レポートってどうやって書けばいいの?
- レポートを書くとき何に注意したらいいの?
理系の人は大学に入ると実験科目があると思います。
実験の前の日はレポートや課題があって予習も済ませなくてはいけないという人も多いのではないでしょうか。
大学での実験は高校のときの実験とは全く異なります。
実験した結果をそのまま書けばいいわけではなく、どのような実験方法でどういう原理に基づいて実験を行い結果から何が言えるのかまでまさに1から10まで書く必要があるからです。
加えて、実験は必修なので落とすわけにはいきません。
高校のときとは実験の重みが全く違います。
そこでこの記事では、実験の単位をしっかりと取り、高い評価をもらえるようなレポートの書き方を説明します。
書かなければならないことをおさえれば必ず単位は来るのでひとつずつ確認していきましょう。
実験レポートの書き方
まずはじめに、実験レポートは何のために書くのでしょうか。
それは、自分の行った実験を第三者に説明するためです。
実験を行ってもその実験方法が自分しかわからなければそれは成果として認められません。
目指すのは定量的で、友達や実験をする前の自分が読んでも理解できるくらいわかりやすいレポートです。
レポートの構成
ここからレポートの構成を簡単なサンプルも付けて説明していきます。
サンプルはニュートンリングの実験にしてみたので参考にしてください。
レポートは人に見せるものなのでしっかりと順序だてて書くことが重要になります。
そこで大事になってくるのが構成です。
- 目的
- 原理
- 実験方法
- 結果
- 課題
- 考察
- 結論
- 参考文献
1つ1つがレポートを書く上で重要な要素となります。
ここからは具体的なレポートの書き方を要素ごとに見ていきましょう!
目的、原理
まず、目的はなぜその実験を行うのかが分かるように簡潔に書きましょう。
原理は教科書に書いてあるものをかみ砕いて要約して書いてください。
2~3ページにまとめられればOKです。
[目的]
平凸レンズの曲率半径を求める。
[原理]
図のように平面ガラス板の上に平凸レンズを乗せ、上から波長λの単色光波を垂直に照射する。入射光は図のPとQで反射し、2つの反射光には位相のずれが生じる。光路差ΔlはΔl=2dと表され、dはrによって変化するため中心から周期的に光路差が波長の整数倍になるところが表れる。よって、レンズの中心から明環部分と暗環部分が交互に現れるような同心円状の縞模様ができる。この同心円状の縞模様をニュートンリングと呼ぶ。
曲率半径をLとすると半径rの部分での平凸レンズと平面ガラス板の距離dはd<<Lより、…①
Pで反射する光とQで反射する光の光路差は、Pで位相がπずれていることから…②
となる。
よって、明環、暗環ができる位置の条件は、
明環:…③
暗環:…④
となる。(nは正の整数)
直径D=2r、i次の暗環の直径をDiとする。i次の暗環の半径は、…⑤
半径を直径に直すと、…⑥
となる。
よって、…⑦
と表すことができ、平凸レンズの曲率半径Lは…⑧
と表せる。
- 物理量をあらわす文字は斜体(イタリック)で書く。
- 新しく出てきた文字の説明は忘れずにする。
実験方法
ここではどのような実験装置を使ってどのような手順で実験を進めていったのかを書きます。
(1),(2)…と順序だてていくとわかりやすい説明になります。
このとき、なぜそのような方法で行うのか、なぜ必要なのかというような観点は必要ありません。
やったことをそのまま順番に書いていきましょう。
[実験方法]
準備
(1)ナトリウムランプ、ニュートンリングの実験装置を用意した。
(2)まずは蛍光灯の光を反射させ顕微鏡を覗き込み、同心円状の縞模様の中心にマイクロメーターのメモリを固定した。
(3)ナトリウムランプを点灯し、暗線が少なくとも20本確認できるように顕微鏡の高さ、ハーフミラーを調節した。
(4)十字線が見やすいように接眼部のねじを調節し、台を動かしてニュートンリングの中心に十字線を合わせた。
測定
(1)マイクロメーターを十字線の中心が右側の20番目の暗線より右側にくるまで回した。
(2)マイクロメーターを逆向きに回し、十字線を暗線に合わせ右側の20番目の暗線から左側の20番目の暗線の位置のメモリを記録した。
- 実験方法は過去形で書く。
結果
実験結果は実験から直接得られたデータを図や表を用いて書きます。
図表については何を表したデータなのかが分かるように説明も入れてあげてください。
図の形や表の増減の具合からデータがどのような振る舞いをしているのかまで書けると考察を書く上でのヒントになるかもしれません。
[結果]
左右1から20番目までの暗線の位置のメモリの読みを下表に示した。
- 単位は直立体で書く。
- 表やグラフの形式は大学から言われた通りのものにする。
- データの有効数字はそろえる。
- 文字の単位には[]を付け、数値の単位には付けない。(例:M[kg]、45kg)
課題、考察
レポート中でここが最も大事なところです。課題と考察がしっかり書けているかどうかでレポートの評価が決まります。
ここでは実験結果から何が言えるのか、どのようなことが分かるのかを書きます。
大事なのはなぜそうなるのかということを原理や実験結果を踏まえて論理的に説明することです。
実験結果から「これが答えです!!!」と言われても過程や根拠が書いていなければ何の信憑性もないですよね?
どのような計算をしたのか、何からそのようなことが言えるのかといった根拠を明確にしましょう。

考察をしっかり書いておくと評価につながりやすいよ!
[課題、考察]
D2は{(左読み)-(右読み)}2によって求められ、Lは原理の⑧式よりj=10とすると下表のようになる。
上表のLの値より、
L=(1.985±0.005)m
結論、参考文献
結論は目的と照らし合わせて全体のまとめを書きましょう。
参考にした本やウェブサイトがある場合は参考文献として書いてください。
[結論]
ニュートンリングの直径から、平凸レンズの曲率半径はL=(1.985±0.005)mと求められた。
[参考文献]
・____著「物理学入門」
・____著「物理実験基礎」
・https://______________
まとめ
今回は実験レポートの書き方について説明しました。
今から論理に基づいたわかりやすい文章を書けるようになるのは今後の卒業論文で役に立ちますし、社会人になってからも使えるスキルになってきます。
この記事を参考にまずは実験の単位を取って進級できるよう頑張ってください!